政治・経済 週刊文春 掲載記事
THIS WEEK

「有名スキー場」が次々と閉鎖
スキー人口はピーク時の四割以下

 日本にスキーが伝わり、今シーズンでちょうど百年目。しかし、それを大々的に祝う雰囲気ではなさそうだ。

「現在、我が国のスキー人口は七二〇万人。ピーク時の九三年には一八六〇万人でしたから、四割以下にまで減少しています」(公益財団法人日本生産性本部 余暇創研主任研究員・柳田尚也さん)

 背景には若者のスキー離れもある。

「バブル崩壊やレジャーの多様化も原因のひとつですが、かつては華やかだった大学のスキークラブや同好会の数もピーク時の三分の一以下に減少しています」(同前)

 利用者の激減によって、名門スキー場も次々に閉鎖。

「長野県では冬季オリンピック会場となった『かんばやしスキー&スノーボードパーク』、八十年以上の歴史を持つ『大町スキー場』。また映画『私をスキーに連れてって』の舞台となった志賀高原でも『前山スキー場』と『笠岳スキー場』が閉鎖。さらに札幌オリンピック世代には馴染み深い『真駒内スキー場』も閉めた。関西では『伊吹山スキー場』もここ数年休業状態。ピーク時には七百カ所以上あったスキー場が、現在は五百カ所以下です」(スキー雑誌記者)

 営業を続けているスキー場にも切実な事情がある。

「スキー場を作るにはリフト設営や道路整備に莫大な費用がかかります。この費用を償却しなければならないし、閉鎖するとなればリフトの撤去費用も必要。また雇用対策や補助金獲得目的で作られたスキー場も多く、簡単には閉鎖できません」(SIA公認磐梯ひじかたスキースクール二代目校長・土方あきらさん)

 子どもの頃からスキーファンの三十代会社員の話。

「昨シーズン、久しぶりにスキーへ行ったら休日なのにガラガラで、貸し切り状態。リフトに乗るまで一時間近くかかった昔が嘘みたいでした」

 実は最近スキー業界もこの世代に注目している。

「過去にスキーを楽しんだ経験を持つファミリー世代に再び足を運んでもらおうと、スキー場に託児施設などを作り『リバイバル需要』の掘り起こしを行なっています」(前出・柳田さん)

 ただし、リバイバル時に昔通い慣れたスキー場があるかどうか……。

岡崎 博之

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