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新大河「おんな城主直虎実は男」証言で大混乱【全文公開】

「見つけたときは、一瞬戦慄したようなものですよ。神様の啓示というとおかしいけれど、これを無視せずに、今(世に)出せということだと思いまして」
 と語るのは、京都・井伊美術館館長で、井伊家子孫の井伊達夫氏(74)。12月11日、達夫氏は記者を集めて会見を開き、「井伊直虎は実は女ではなく、全くの別人で男だった」と衝撃の発表をしたのだ。

柴咲コウはこれが大河初出演
Photo:Kyodo

 井伊直虎は、1月8日スタートのNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主人公で、女優の柴咲コウ(35)が演じる。

 ドラマの筋書は、今川氏配下の戦国武将・井伊直盛の一人娘が出家して「次郎法師」を称するが、一族存亡の危機に瀕して還俗、「直虎」を名乗って、女だてらに井伊家を守り立てるというもの。だが史料がほとんどなく謎も多い。

 達夫氏は“他見禁止の井伊家秘事記録”である新史料発見により、「次郎法師=直虎」説は誤りであったと証言するのだ。達夫氏が新史料の由来を語る。

「彦根藩の木俣家に伝わる記録です。50年程前に彦根の古道具屋で購入して以来、ほぼ未読でした。2カ月ちかく前にふと手にしたら、ちょうど開いたページに直虎に関する記述があったのです」

 該当の記述は、次のような内容だという。

「まず井伊次郎は『新野親矩(にいのちかのり/今川家の家臣)の“甥”』とあるため、男性ということになります。また、『関口氏経(今川家の家臣で新野の兄弟)の子供を井伊次郎にし』とも記されており、2人は親子関係だと分かる。さらに、永禄11(1568)年に関口氏経と連名で発給した文書には『次郎直虎』と署名がある。2人が親子だということを踏まえると、『直虎=井伊次郎』と考えられるのです」

 小誌記者も会見を取材したが、予想外に複雑な“三段論法”に報道陣は困惑し、どよめくばかり。結局、会見は一時紛糾し、報道陣が概略を把握するまでに2時間半を要した。

 直虎に関する著作がある夏目琢史氏(一橋大助教)に見解を聞いた。

井伊美術館の井伊達夫館長

「興味深い史料が出てきました。従来の研究成果を全て覆すわけではありませんが、今後、この史料を含めて考察を重ねていく必要があります」

 この発表に対してNHKは「ドラマはあくまでフィクションであり、影響はないと考えます」との回答。

 一方で「直虎ゆかりの地」を掲げる浜松市役所シティプロモーション課は困惑しながらこう答えた。

「今回の発表は“寝耳に水”ですが、新説を唱える方がいるのは仕方がない。浜松市は今後も『おんな城主・直虎』として地域おこしを進めていきます」

 NHK関係者が語る。

「制作サイドは『直虎=男性』説の存在をすでに把握していました。直虎はややマイナーなので、『真田丸』最終回目前のタイミングでの達夫氏の発表で認知度が上がると大喜びです。主演の柴咲を中心に撮影は滞りなく進んでいます」

 もしや、これが「井伊家の兵法」?

この記事の掲載号

2016年12月22日号
2016年12月22日号
電通の真実 激震ドキュメント
2016年12月15日 発売 / 定価400円(税込)
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