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「半端ない」伝説から8年
遅れてきたエース、大迫勇也

日本代表では16試合出場で5得点
Photo:Kyodo

 2018年ワールドカップロシア大会への出場をかけて、アジア最終予選で“崖っぷち”の戦いを続ける日本代表に変化の兆しがある。

「これまでハリルホジッチ監督は、どんなに調子が悪くても、本田圭佑を先発で使い続けてきた。しかし、ここにきて、その“聖域”にメスを入れて、世代交代を模索し始めた」(スポーツ紙記者)

 背景には、新戦力の台頭がある。その象徴が、11日に行われたキリンチャレンジ杯オマーン戦で2得点した大迫勇也(26 ケルン)だ。

「豪快なヘディングと狭い局面を打開する高い技術で2得点、彼の真骨頂です」(同前)

 大迫といえば“半端ない”。08年度の全国高校選手権で大迫が所属する鹿児島城西に準々決勝で敗れた滝川二の主将が「大迫、半端ないって!」と号泣する姿がテレビで映し出されて以来、このセリフは彼の代名詞となってきた。

「同大会で一大会最多記録となる10得点を挙げ将来を嘱望された逸材ですが、線の細い印象があり、ブレイクしきれなかった。14年からドイツでプレーしていますが、当初は苦労の連続でした」(同前)

 器用なせいか、本職のFW以外のポジションで起用されることも多く、インタビューなどでは「ゴールを決めていればチャンスをもっと貰えたと思う」と前向きに語っていたが、本音は違っていた。

「代理人には(ドイツよりレベルが低い)オランダなどなら、FWで出場できるから探してほしい、と頼んでいた。ホームシックで“日本に帰りたい”とも漏らしていたそうです」(サッカーライター)

 転機となったのは、その代理人から「その前に、積極的に監督とコミュニケーションをとってみては」とアドバイスを受けたことだった。

「人見知りと言うか、社交的なタイプじゃない」(ベテラン記者)という大迫だが、今季は自分から監督に話しかける姿が見られるようになった。

「その結果、起用法が変わり、本来のポジションでプレーできるようになりました。そこで結果を出して、レギュラーをつかみとった。今回は1年半ぶりの日本代表復帰で、得点は実に3年ぶりとなりました。彼のポテンシャルからすれば、遅ればせながら、ですがね」(同前)

 遅れてきたエースは窮地の日本代表を救えるか?

「週刊文春」編集部

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2016年11月24日号
2016年11月24日号
トランプ「裏の顔」
2016年11月17日 発売 / 定価400円(税込)
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