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Wヒロインで映画化

辻村深月 (作家)

「映像化の一番嬉しいところは、小説の世界が自分の中でもまた広がることです」

 同じ“キョウコ”の名を持つ2人を軸に、高校時代の葛藤と10年後の迷いを描く『太陽の坐る場所』が映画化された辻村深月さん。手がけたのは『ストロベリーショートケイクス』の矢崎仁司監督だ。

「監督の映画は拝見していて、原作で描かれていない部分まで含めて原作の芯を表現される方だと思っていました。信頼してお任せできたし、『原作にとらわれ過ぎず、自由に』とお願いしたくらいです」

 地元でアナウンサーとなった響子を水川あさみさん、東京で人気女優となった今日子を木村文乃さんが演じる。元同級生役も三浦貴大さん、森カンナさんなど旬の顔が揃う。

「水川さんと木村さんのお名前を伺った時、どちらがどちらの役になるとしても、両方とも観たいと思ってしまいました。高校生時代を演じてくれた若い役者さん達も素晴らしかったです。冒頭の、体育館で2人の少女が対峙するシーンは、差し込んだ夕方の光も本当に美しくて……。放課後がずっと続くように思えた頃の気持ちが蘇りました」

 本作を書いた当時を振り返ると、過去を許せない気持ちや怒りを登場人物達に投影していたことを思い出すそう。

「それが映画を観てすこし変わったんです。自分を許せない時期があってもいいんじゃないか、と。若さゆえの傲慢さや、その過去と向き合ってもがく。そんな、誰もが通る時間が凝縮された映画です」

『太陽の坐る場所』

山梨県内で先行公開中、10月4日より全国公開
http://taiyo-movie.jp/

太陽の坐る場所

辻村深月・著
定価:本体600円+税 発売日:2011年06月10日

『太陽の坐る場所』特設サイト

直木賞作家 辻村深月の傑作ミステリー、待望の映画化

この記事の掲載号

2014年10月9日号
2014年10月9日号
「朝日新聞」問題 私の結論!
2014年10月2日 発売 / 定価400円(税込)

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