不肖・宮嶋のオラオラ日記 WEBオリジナル記事

600ミリがやってきた

文・写真宮嶋 茂樹 プロフィール

みやじま しげき/1961年5月生まれ。兵庫県明石市出身。日本大学芸術学部写真学科卒業。幼少の頃のあだ名は「明石の火打ち石」。通称「不肖・宮嶋」。自称は「写真界のハリソン・フォード」改め、「写真界のジョージ・クルーニー」(年齢が同じやから)。写真週刊誌の専属カメラマンを経てフリーの報道カメラマンに。主に、修羅場を好むが負傷が絶えず、負傷・宮嶋と呼ばれていたものが、不肖・宮嶋に転じたという説もある。第2回雑誌ジャーナリズム賞、第4回日藝賞を受賞するも世界的ビッグタイトルには未だ恵まれず、そこが宮嶋の限界と揶揄されている。本人は「50歳引退宣言」を撤回し、新米カメラマンの頭を蹴落とすことを生きがいに55歳まで現役を続けると宣言し直している。

なお、著書は40冊以上。売れ行きは、そのほとんどが採算ラインをやや上回る程度。最新刊は東日本大震災の記録である「再起」(KKベストセラーズ)、「不肖・宮嶋のビビリアンナイト」(祥伝社)。文藝春秋からも6冊の刊行物があるが、なぜかすべて絶版。もちろん、刊行予定もない。

 これがカメラマン人生最後のデカい、というかイタい買い物である。「500ミリをかついだ渡り鳥」「500ミリの魔術師」を標榜している手前、新型が発売されたのをきっかけに、買い替えを決意したのだった。

 納品までに数カ月はかかるだろうから、まあ、それまでに代金を工面しておけばいいだろうとタカをくくっていたが、とうとうブツが届いてしまった。もうひっこみがつかない。

 ハンパな値段ではない。ホントに国産新車が買える。少しでも代金の足しにしようと15年近く使ってきた「お古」を下取りに出そうとも考えたが、諦めた。二束三文で買い叩かれた挙句、「不肖・宮嶋の愛機」と銘打って高値で転売されかねない。そりゃみっともない。この窮状を見かねて、編集者の中には「かわいそうに。そんなことなら……」と、タダ同然の原稿料を少しでも上げてあげようという奇特な方がいるかと思ったが、それもない。

 叩き売って不愉快な思いをするくらいなら、手元に置いて、本当にかわいがってくれる人が現れるまで、磨いて待つことにしたのである。ということで、手元に500ミリがあるわけだから、ほんのちょい長いレンズにした方が、仕事の幅が広がるのではないかと考えた。そこで今回は、500ミリではなく、600ミリを購入したのである。

 現在、キヤノンが生産している最大焦点距離のレンズは800ミリ。上から2番目がこの600ミリである。500ミリよりも100ミリ焦点距離が伸びたにもかかわらず、開放F値は500ミリと同じF4.0。スゴいやろ!

600ミリが届いた!

 さっそく、届いた箱の封を切る。確かにずしりとくる重さだが、想像していたよりも軽い(3920グラム)。それもそのはず、旧型よりも約500グラムも軽い。手元の500ミリF4.0(3870グラム)とほぼ同じ重さである。

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