
野田首相の命運を左右する
特別委員長ポストの人材難
民主党の黄門様に再び出番は?
野田政権の行方を左右する「社会保障と税の一体改革」問題は民主党の希望通り、衆院に特別委員会を新設し、関連法案を一括して審議することで与野党が合意した。
消費税増税に関連する法案を複数の常任委員会に振り分けた場合は、野田佳彦首相と一体改革担当の岡田克也副総理が各委員会から一斉に出席を要求され、体がいくつあっても足らない状態になる可能性が大きい。週2~3回の定例日にしか開催しない常任委員会と違い、特別委員会は連日審議ができるのも利点だ。
今国会中の成立を目指す野田首相にとって一歩前進だが、法案の成否は特別委メンバーの力量にかかっている。
特に重要な役割を担うのが委員長だ。審議拒否をさせないよう野党の主張も柔軟に取り入れるバランス感覚と、いざという時は反対を押し切ってでも議事を進める豪胆さの両面が求められる。加えて「あの人の言うことには反対しづらい」という存在感があれば文句なしだが、人選に当たる民主党幹部から漏れてくるのは「適任者がいない」というボヤキ節ばかり。
「理想像は、自民党の竹下政権が消費税導入を決めた時の金丸信・衆院税制問題等調査特別委員長です。党内最大の実力者で野党にも太いパイプを持つ金丸氏を起用することで、大荒れの国会審議を乗り切りました」(民主党関係者)
民主党の重鎮といえば、党最高顧問の藤井裕久元財務相、渡部恒三元衆院副議長の名前が挙がる。だが、ともに昭和7年生まれの79歳で、体力的にも連日の審議に耐えられるのか、疑問符がつく。
結局、有力候補と目されるのは、党の行政改革調査会長を務める中野寛成元国家公安委員長と、細川律夫前厚労相の2人。だが、当時の金丸氏とは比ぶべくもない小粒候補だ。
肝心の2人の腰もすっかり引けている。城島光力国対委員長が両氏の意向を探らせたところ、異口同音に「とんでもない」とつれない反応だったという。今国会での法案成立は至難の業。委員長の職責を果たせない上に反対派から恨みを買い、「ミスター増税」のレッテルを張られれば選挙でも不利になるからだ。
人選を間違えば、政権の命運をかけた政治改革関連法案を委員長裁断で「審議未了・廃案」にされ、退陣に追い込まれた海部俊樹元首相の二の舞になりかねないだけに、首相も閣僚人事以上に頭を悩ませている。
※この記事の公開期間は、2015年04月18日までです。


















