著者は語る 週刊文春 掲載記事

無人駅で公園で……野宿の多い生涯を送って来ました

『野宿もん』 (かとうちあき 著)

青春の思い出づくりに野宿!誕生日祝いに野宿! ヤンキーを恐れつつ野宿! 徳間書店PR誌「本とも」連載の「野宿エッセイ」がまさかの単行本化。誰も知らない野宿の世界をゆる~く語る。「外で寝泊まりする人が1500円出してくれるか不安ですが、ぜひぜひ読んでくださいね」とはかとうさんの弁。 徳間書店 1575円(税込)

 女ひとりの公園野宿、書店野宿イベント、女子高生ふたりで日本縦断野宿……ミニコミ誌「野宿野郎」編集長のかとうちあきさん(31)が“野宿エッセイ集”を上梓した。ダンボールの調達法や、寒さ対策を説いた実用書(?)『野宿入門』に続く第二作だ。

「キャンプや山登りとは違って、私が普段しているのは人里で行うカジュアルな野宿。終電を逃した、とか、宿代がおしい、とか、大体はそんな理由です。どうも皆さん寝袋で寝る人を見かけるといろいろ期待されるのか、散歩中のおばさんとかが『もしかして日本一周してる!?』って、目を輝かせながら訊いてくるんです。『いや、ちょっと眠くて……』と返事をすると、だいたいがっかりした顔で去っていきますね」

 そう、本書はアウトドア志向の冒険記などではなく、あてどない旅先での野宿や公園でのお泊まり会などに彩られた脱力エッセイ集なのである。

「野宿って、少し後ろめたい。そこが魅力なんです。仲間たちと公園でダラダラ酒盛りをして、その場で寝袋に入って寝て、朝日の中で目を覚ます。そこにあるのは、『今日も頑張るぞ!』という七割の爽快感と、『また外なんかで寝ちゃったよ……』という三割の後悔。それがたまらないんです。普段うだつが上がらない人ほど、自然とその感覚にハマっちゃいますね(笑)」

この記事の掲載号

2012年3月29日号
2012年3月29日号
小沢一郎「完全別居」 次男と暮らす和子夫人を直撃!
2012年3月22日 発売 / 定価380円(税込)
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かとう ちあき

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